狭心症と心筋梗塞

概要

心臓 図心臓は全身に血液を循環させるポンプの役割をしていますが、心臓自身が働く為には心臓の組織へも血液を循環させる必要があります。

この役割を担う血管を冠動脈といい、虚血性心疾患とは、なんらかの原因による冠動脈の血行障害を原因とする疾患を指します。

冠動脈への血行障害が一時的であり心筋(心臓を動かす筋肉)の壊死を伴わないものを狭心症といい、血行障害が継続し、その為に心筋が壊死してしまったものを心筋梗塞といいます。

この病気は40歳過ぎの男性に多く、運動をしている時(特に食事直後)に多く出現します。他には暖かい所から急に寒い所に出た時、怒り・恐怖など興奮したり感情が高ぶった時など、心臓に負担がかかり発作を誘発します。

原因

主な原因として次の1~3が考えられます。


1. 動脈硬化により血管の内側にコレステロールが沈着したり、さらに進んで血管内部に潰瘍ができる、または血栓が溜まる事により、血管内部が細く(狭窄・きょうさく)なったり、完全に詰まったり(閉塞)するもの。 =冠動脈の異常によるもの
2. 冠動脈に狭窄は無いが、激しく収縮(攣縮・れんしゅく)して血液が流れづらくなるもの。早朝にきまって胸痛がある事が多い。
3. コレステロール値が高かったり脱水症状になったりする事で、血液の粘性が増した為に流れづらくなるもの。

治療

ニトロペン (ニトログリセリン)

ニトロペン (ニトログリセリン)

ミオコールスプレー

ミオコールスプレー

冠動脈に異常がない場合は、血管を拡張させて心筋の負荷を少なくして、心臓の酸素消費を抑えてやる事で症状はおさまる。通常は内服薬(ニトログリセリンなど)を服用する。

冠動脈の異常が原因の場合は、狭くなった血管を広げたり(バルーン法など)、狭くなった部位が数ヶ所ある場合は、それを飛び越えるようにバイパスさせる事で冠動脈への血流を回復させます。

通常、冠動脈の径の50%以下の狭窄では血流に変化が現れないので、注意深く観察しながら内服薬で様子を見ます。

狭心症が進行して心臓の筋肉が壊死する事を心筋梗塞と言いますが、冠動脈の血流が途絶えても4時間以内に冠動脈の血の塊を溶かして狭窄部を広げる事で元に戻ります。しかし、それ以上経過してしまった場合には心筋の壊死を伴います。

壊死した部分の心筋は2度と動く事はありませんので、心臓の機能が低下して心不全や重大な不整脈により死に至る事があります。この為、点滴や注射をしながら72時間安静にして厳重な観察を続ける必要があります。

狭心症

狭心症狭心症とは、心臓が活動するために心臓へ血液を巡らす動脈が、動脈硬化やケイレンなどで、狭くなり心臓を動かすのに充分な量の血流が得られなくなる状態をいいます。

造影検査動脈硬化で血管がつまり、血液が流れなくなるため造影検査では血管が写らなくなります。

症状

心臓の筋肉への血液不足により、肩や腕、あごやみぞおちなどに痛みや圧迫感を伴いますが、5分以内で収まります。また随伴症状として、動機、めまい、嘔吐などの症状も伴います。

心筋梗塞

心筋梗塞心筋梗塞とは、心臓が活動するために心臓へ血液を巡らす動脈が、完全に流れなくなってしまう状態をいいます。

血流がなくなるため、その部分の筋肉が死んでいってしまいます(壊死化)。ミオコールスプレーでは症状を抑えることができません。ニトログリセリンを使用しても症状が消失しない、30分以上続いている場合は、ただちに救急車を呼び、当院に搬送を依頼してください。

意識消失、呼吸停止、心停止などの症状が出たときは心肺蘇生を行ってください。

心臓カテーテル検査の映像

心臓カテーテル検査 正常

正常

心臓カテーテル検査 心筋梗塞

心筋梗塞

症状

狭心症と同様の症状が30分以上続きます。また、意識消失、呼吸停止、心停止などの症状も伴います。